2021年11月07日

ラインについて(その2)

そもそも、川下りが「ライン下り」と呼ばれるようになったのは、1913年に志賀重昂によって木曽川の風景がライン川に似ていると言われたことに始まる。それをもとに、木曽川は「日本ライン」と命名された。日本の風景をヨーロッパの風景に見立てるという点で、日本アルプスとも共通したものを感じる。

ドイツのライン川にはローレライの伝承で有名な舟下りのイメージがある。そのため木曽川の川下りが「ライン下り」と呼ばれるようになっただけでなく、全国各地の川下りが「ライン下り」を名乗るようになったわけだ。


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今年の夏に天竜川で「天竜ライン下り」をした。天竜峡温泉から唐笠まで約50分の船旅である。運航会社のホームページのURLは
https://tenryuline.com/
本来はライン川の「Rhein」(ドイツ語)であったはずの「ライン」が、英語の「line」になっている。

こうした例は他にもたくさんあって、

「長瀞ラインくだり」 @nagatoro_line
「荒川ライン下り」  http://www.arakawa-line.co.jp/
「鬼怒川ライン下り」 https://linekudari.com/

など、いくつも見つけることができる。語源がライン川であったという意識は、今ではほとんど薄れているのだろう。

posted by 松村正直 at 11:45| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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