2021年10月17日
野呂邦暢『愛についてのデッサン』
副題は「野呂邦暢作品集」。
岡崎武志編。
読書には流れがあって、関口良雄『昔日の客』と岡崎武志『上京する文學』を経て、この1冊にたどり着いた。
古書店主の佐古啓介を主人公とした6篇の連作小説「愛についてのデッサン」と「世界の終り」「ロバート」「恋人」「隣人」「鳩の首」の5篇を収めている。
どの作品も推理小説のような味わいがあって、でもスッキリと解決するわけではない。読後に何かモヤモヤとしたものが残る。相手や他人の考えは結局はよくわからないという感じ。たぶん、そこが良いのだろう。
作者は1980年に42歳で亡くなった。
Wikipediaには「心筋梗塞のため急逝」とあるが、本当のところはどうなのだろう。
2021年6月10日、ちくま文庫、900円。
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