本を読んでいると、全く関係ない別の本が偶然交差することがある。
最近読んだ『日本発酵紀行』は、初めに東海地方の醸造蔵を取り上げている。
東海エリアでは各蔵がそれぞれ古くからの製造設備を維持して、自社ですべての生産工程を担っている蔵が多い。味の自立性も高ければ、蔵の自立性もものすごく高い。
そして、ミツカンの話も出てくる。
現代における造酢の雄であるミツカンは、知多半島→江戸という東の廻船航路を制覇した。
このミツカンの本社があるのが愛知県半田市。
『ときをためる暮らし』『ふたりからひとり』の語り手、つばた英子さんはこの半田市の出身だ。
私が育った半田の実家は、一〇〇〇坪あまりの敷地に、酒蔵、精米、樽屋などの酒造りの工房があって、中庭を囲むように本宅が建てられていたの。二〇〇年以上続いた小さな造り酒屋でしたけれども、たくさんの人が働いていたんですよね。
まさに醸造蔵を構える家である。
さらに、最近興味を持っている『新版画作品集』の表紙。
これは、川瀬巴水の「尾州半田新川端」(昭和10年)という作品。
川沿いに木造の蔵が立ち並んでいるが、これは醸造関連のものだったわけだ。
こういう偶然は嬉しい。
半田・・・ぜひ、一度訪れてみようと思う。
“ゆきづまった”というのは、劇界の行き詰まりや、新興芸能である少女歌劇さえもマンネリ化が散々叫ばれていた当時の状況を踏まえたものと思われます。
“明星”というのは、そこに救世主のように登場した、まさに“スター”のことでしょうが、そんなコピーをよく載せたものだと少々びっくりしました。
「ゆきづまった味覚界の明星」というコピー、面白いですね。古い雑誌を見ていると、その時代の雰囲気や空気がよくわかります。半田にはミツカンミュージアムもあるそうなので(今はコロナ禍で休館中)、行ってみたいと思います。
>鈴木さま
コメントありがとうございます。ふとした偶然が重なって、俄然、半田に興味が湧いてきました。古い建物や景観などが残っていて、見どころの多い町のようですね。京都からも比較的近いので、訪れるのが楽しみです。