2021年09月30日

雑詠(009)

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背比べしようって子はもう言わず冷蔵庫あけて牛乳を飲む
停車するバスに向かって駆けてくる少女みるみる媼になって
十六分の一に新聞を折りたたみ電車にめくる技も絶えしか
崖ならば震えるほどの高さより地下へと降りるエスカレーター
眠ろうと明かりを消せばスリッパに叩きし蠅のたましいが飛ぶ
警笛を鳴らし過ぎゆく崖下に平たくならぶ保線のひとら
腫れものに触れるみたいに触れていて傷めてしまう桃もあること

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posted by 松村正直 at 06:16| Comment(0) | 雑詠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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