2021年09月26日

高島裕展(その1)

富山県砺波市庄川町の庄川美術館で開催されている「高島裕展」へ。

京都から特急サンダーバード、北陸新幹線、路線バスを乗り継いで約4時間半。小旅行といった趣きだ。


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美術館(写真右奥)は、自然豊かな庄川水記念公園の一角にある。


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とにかく素晴らしかった。

天井から垂れる布に大きく書かれた短歌のインスタレーションや、インタビュー映像、作品の解説などのほか、子どもの頃のアルバムや手帳、歌集のゲラ、創作ノート、手紙など、現物の展示が多いのに驚かされた。古いものが実にたくさん残っている。

内容が充実しているだけでなく、展示方法にも様々な工夫がされていた。中でも印象的だった「言葉」を3つ挙げたい。

歌がなくても生きて行ける人は、歌をやめてほしい。
あなたのことだ。

展示室の入口に掲げられた「あなたとは違う」というメッセージにある言葉。いきなりドキッとさせられる。

あなたのことを思うとこのところ寝苦しい思いです。

お母さんの手紙の一節。一人暮らしをしていた頃の高島に、母はしばしば手紙を出したようだ。10点ほどが展示されていたが、どれも愛情と人柄の滲む文面だった。

もし気が変はつたらいつでも「未来」へ帰つて来て下さい。

2002年に「未来」を退会した高島に宛てた岡井隆の手紙の一節。自分が若い人たちの力になれなかったと悔やむ言葉もあって、胸を打たれる。

こうした言葉を読んでくると、高島が東京から故郷の富山へ帰り、結婚して子供を育て、「未来」に再入会したことの、すべてが必然だったように思われる。

美術館周辺の山、川、空、田んぼなどの風景も含め、高島の核にあるものの一端に触れたような体験だった。

posted by 松村正直 at 07:19| Comment(0) | 演劇・美術・講演 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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