2021年08月31日

雑詠(008)

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蒸し暑い夜がじりじり更けてゆきともに勝ち点1を分け合う
台風は日本海へと抜けたとか 植木鉢ふたつ路地に転がる
二十年かけて「自由の番人」を駆逐せし者たちのひげ面
もう雨はやんでいるのに傘をさし老女は長く駅前にいる
水しぶき上げるクロールにんげんの身体はどこも目盛りがなくて
三つある案山子のうちの一体が動きはじめて農婦は歩く
ゆうぜんと陸軍伍長の墓石に止まって夏の鴉はかたる

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posted by 松村正直 at 07:37| Comment(0) | 雑詠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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