2021年08月01日

太田朋子・神川靖子『飯田線ものがたり』


副題は「川村カネトがつないだレールに乗って」。

長野県の辰野駅から静岡県を経て愛知県の豊橋駅までの約200キロを結ぶJR飯田線。主に天竜川に沿って伊那谷を走る鉄道路線である。

この飯田線の建設においてアイヌの川村カネトらが測量に携わった。以前ウポポイの国立アイヌ民族博物館を訪れた際に、川村の使っていた測量機器が展示され「飯田線の測量を行った」との説明があるのを見て以来、興味を持っている。

中央アルプスと南アルプスに挟まれた伊那谷に鉄道を敷くのは難しく、測量も大変な作業だったようだ。

現在のJR飯田線の前身は、「豊川鉄道」「鳳来寺鉄道」「三信鉄道」「伊那電気鉄道」の四つの私鉄がのちに国営化されたものです。
(中央線は)中山道の「木曾谷ルート」と飯田や伊那のある「伊那谷ルート」が検討された結果、工費が少なくてすみ、線路の性質が優れていることなどの理由で「木曾谷ルート」に決定しました。

本書では地元に住む著者たちが、川村カネトの足跡をたどるとともに、飯田線沿線の名所・旧跡等の紹介をしている。

飯田線にはせひ一度乗りに行きたい。

2017年7月15日、新評論、2000円。

posted by 松村正直 at 22:44| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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