2021年07月20日

くどうれいん『わたしを空腹にしないほうがいい 改訂版』

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俳句のウェブマガジン「スピカ」に2016年6月に連載された文章に加筆修正してまとめた一冊。「日付」+「俳句」+「食べものに関するエッセイ」というスタイルになっている。

ソーダ水すべてもしもの話でも
才能がなくてもここに夏銀河
夕立が聞こえてくるだけの電話

喜んでいても悩んでいても健康的な明るさを感じさせるのが、著者の特徴であり魅力でもある。読んで元気になるエッセイという感じだ。

「どうしてそんなに料理好きに育ったのかねえ」といつも母は不思議がるけれど、両親あってのこの娘だ、と胸を張って言える。菜箸を握るのが楽しいと思えることは、きっとすこやかに生きていくうえで武器になると信じている。

「両親あってのこの娘だ」と心に思うだけでなくこうして堂々と書ける人は、なかなかいない。まあ、もちろん明るいだけではないのだろうけれど。

2018年8月19日発行、2020年10月16日第9刷。
BOOKNERD、1000円。

posted by 松村正直 at 07:07| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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