水槽をのりこえ蛸はゆかむとすたこよここから海は遠いよ切られし首つながれ苔の生えてをり廃仏毀釈の名残りといひて花ばさみ庭のどこかに置き忘れその夜しづかに雨降りはじむ十二年電池残量あるといふペースメーカーが私を刻むいけばなは花の命をもらふこと私の中に花が入り来る