監督・脚本:坪川拓史
出演:大杉漣、大塚寧々、香川京子、小松政夫、坂本長利、水橋研二、菜葉菜ほか
「モルエラニ」はアイヌ語で「小さな坂道を下りた所」の意味で、室蘭の語源にもなった言葉だそうだ。
室蘭在住の監督が、室蘭市民の協力も得ながら室蘭で撮影した作品。冬、春、夏、晩夏、秋、晩秋、初冬の全7篇から成り、それぞれの物語は緩やかなつながりを持っている。
214分という長尺の映画で、前半3篇が終ったところで10分間の休憩があった。
何らかの欠落や喪失を抱えた人物が織り成す物語が、モノクロとカラーの映像で描かれていく。現実、幻想、過去、写真、記憶、夢などが交差して不思議な味わいを感じさせる。
現実の世界では亡くなった大杉漣や小松政夫が生きていることも、この映画にはふさわしいように思われた。
室蘭市青少年科学館の蒸気機関車「D51 560」は、映画ではスクラップにされる運命になっていたが、実際は旧室蘭駅舎公園(ぽっぽらん公園)に移設されて展示されているらしい。一度会いに行きたい。
214分、京都みなみ会館。
2021年07月02日
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