2021年06月13日

安田菜津紀『故郷の味は海をこえて』


副題は「「難民」として日本に生きる」。

母国を離れて日本で暮らす人々に料理を作ってもらって話を聞くという内容。シリア、ミャンマー、ロヒンギャ、ネパール、バングラデシュ、カメルーン、カンボジアの7つの国(地域)の話が載っている。

タンスエさんの二人の子どもたちは、日本で生まれ、日本の社会しか知らずに育ってきました。娘さんは21歳、息子さんが14歳、どちらも日本の学校に通い、友だちは日本人ばかりです。ミャンマー語は家でしか使いません。

先日、映画「僕の帰る場所」で見た問題が、ここにも出てくる。いつか母国へ帰りたいと願っている親たちと違って、子どもは母国への帰属意識が既に薄い。

日本の難民認定率の低さや、出入国在留管理庁(入管)などの制度的な問題についての解説もあり、難民についての理解が深まる一冊となっている。

2019年11月、ポプラ社、1400円。

posted by 松村正直 at 12:33| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。