2021年05月31日

雑詠(005)

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腹を、切り、裂かれ、卵を、取り、出され、砕かれ、肥料となる鮭の雌
いちどきに咲いたばかりに枯れ果てて躑躅おまえもかわいそうだね
いつだってほんとうのことは生きたまま蟻にたかられゆくカブトムシ
中庭を出られず歩きまわるひと忘れものしたことも忘れて
白、黄色、茶色、水色 ひとことで言えば五月の新緑のやま
おもしろくもないって顔でベローチェにわたしをずっと見ている赤子
心臓の奥に今でも観覧車まわるのだろうひとりひとつの

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posted by 松村正直 at 09:08| Comment(0) | 雑詠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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