監督・製作:キム・ミレ
出演:太田昌国、大道寺ちはる、荒井まり子、荒井智子、浴田由紀子、内田雅敏、宇賀神寿一ほか
1970年代に三菱重工本社ビル爆破事件などを起こした「東アジア反日武装戦線」についてのドキュメンタリー。原題はそのまま「The East Asia Anti-Japan Armed Front」。
20代の頃に松下竜一『狼煙を見よ』を読んで以来、彼らにはずっと関心を持ち続けてきた。
今回、右翼団体の妨害によって上映が中止になるなどの騒ぎが起きている。それは取りも直さず、彼らの提起した問題が今も解決されずに残っているということなのだと思う。
戦時中の徴用工による訴訟は続き、アイヌ差別も解消されていない。外国人労働者や入管の問題も同じ文脈で捉えることができるだろう。彼らが自ら名乗った「反日」という言葉は、現在しばしば他者へのレッテル貼りに使われるようになっている。
死刑判決を受けたまま獄中で亡くなった大道寺将司は俳句を詠んでいた。2013年に句集『棺一基』が第6回日本一行詩大賞を受賞したのだが、同時受賞が永田和宏歌集『夏・二〇一〇』であった。授賞式で太田昌国さんと話をしたのが懐かしい。
京都みなみ会館、74分
こういう映画を、韓国の監督が撮るところに興味を覚える。
見たいけれど。映画としてどうなの?
活動家自身だけでなく、支援する人や家族なども含め、すべての人に50年近い歳月が流れたんだなあと思って、しみじみしたよ。