2021年05月20日

たいたい歌

このところ、「〜したい」という言い方が短歌に増えてきているように思う。1首に1回だけでなく2回出てくることもある。

今すぐに帰って猫をさわりたい今を今すぐ反芻したい
             山川藍『いらっしゃい』
死ぬまでが暇だな 歌をうたひたい花の名前をもつと知りたい
             逢坂みずき『虹を見つける達人』
いちめんのたんぽぽ畑に呆けていたい結婚を一人でしたい
             北山あさひ『崖にて』
将来は強い恐竜になりたいそしてかわいい化石になりたい
             工藤玲音『水中で口笛』
友だちに会いたい 会って野ざらしの畳の上で花見がしたい
             谷川由里子『サワーマッシュ』

願望の畳み掛けに迫力があるのだけど、願いの強さを表しているというよりも、少し投げやりな気分を表している感じがする。

posted by 松村正直 at 07:53| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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