「短歌研究」5月号が創刊以来90年で初めて増刷になったということで話題を呼んでいる。
https://www.asahi.com/articles/ASP5K541YP5HUCLV002.html?twico
「三〇〇歌人新作作品集」には私の歌も載っているので、基本的にはめでたく、嬉しいことだと思う。でも、ちょっと立ち止まって考えたいことがある。
一つは「初めての増刷」=最大の売上、ではないということだ。記事には「初刷り4千部に500部を増刷した」とあって、そんなに少ない部数なのかと逆に驚いた次第である。年々雑誌の販売数が減っているのは知っていたが、ここまでの落ち込みようだとは思わなかった。
例えば結社誌「塔」でも1300部くらいは刷っているので、その3倍しかないと考えれば総合誌の部数の少なさがわかるだろう。
もう一つは、今回の特集が300名の作品を羅列した(だけの)ものである点である。正直なところ、これで売れるのだったら編集のアイデアなど何も必要ないではないか、との思いが拭えない。
もちろん、喜ぶべきことだとはわかっている。わかってはいるのだけど、このモヤモヤ感はどうしたものだろう。
2021年05月18日
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