2021年05月15日

木村元彦『13坪の本屋の奇跡』


副題は「「闘い、そしてつながる」隆祥館書店の70年」。

大阪の谷町6丁目にある隆祥館書店と経営者の二村善明・知子親子を描いたドキュメンタリー。「町の本屋」が次々と廃業していく中にあって、70年以上も営業を続けている秘密に迫っている。

全国の書店数は、この20年間に約22000店から11000店に半減している。店舗を構えている書店に限れば既に1万店を割っているのが現状だ。

その背景には出版不況や活字離れ、アマゾンを始めとしたネット通販の台頭などがあるのだが、それだけではない。大手2社の寡占体制になっている取次など、出版流通をめぐる構造的な問題がいくつも存在している。

二村親子は長年にわたって、同日入帳、ランク配本、見計らい配本など、中小の書店にとっての死活問題の改善に取り組んできた。また、2011年からは「作家と読者の集い」を260回以上にわたって続けている。

地域に書店のあることは、文化の発信地として、また人々の交流の拠点として、とても大きな意味を持っている。

私の生まれ育った町にも、駅前に大塚書店(ブックス飛鳥)・富士見堂・玉川学園購買部・久美堂などがあり、電車通学の帰りにいつも立ち寄っていた。思えばそうした環境が本を読む習慣につながったのである。

2019年11月25日、ころから、1700円。

posted by 松村正直 at 09:31| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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