2021年05月09日

古川浩司・ルルケド薫編著『知っておきたいパラオ』


ブックレット・ボーダーズ7。
副題は「ボーダーランズの記憶を求めて」。

このところパラオに対する関心がぐいぐいと高まっている。かつて南洋群島として日本の委任統治下にあった歴史や、中島敦の足跡、ペリリュー島の戦跡、そして現在のパラオの置かれている状況など、興味は尽きない。

旅行業界はマスツーリズムで成り立っている。(…)隣のグアムが安近短のマスツーリズムであるのに対し、パラオは、以前からダイビングスポットのメッカであり、ある意味では、エコツアーを実践してきたデスティネーション(目的地)でもある。
仕事の後、飲みに行くことをパラオでは、ツカレナオス(疲れ治す)と言います。そこから派生して、ビール自体のことを、そう呼ぶこともあります。
時代が変わり簡素化してくる伝統儀式が多いなか、パラオの葬送は、ご遺体の冷凍という新時代の技術を取り入れて、伝統より長く大きくなっているのは興味深い。その理由は、香典が葬儀費用の大部分を担うため、給料日を待ったり、海外からの参列者を待っているからである。
日本統治の名残りが顕著なのは、一部の州憲法だろう。パラオ語で、憲法はKempoと言う。アンガウル州憲法は第一二条(A)で公用語の一つに日本語を定めている。

海外旅行に行けるようになったら、ぜひ一度訪れてみたいと思う。
2018年に運航休止になってしまった日本からの直行便が復活してくれると良いのだけど。

2020年8月10日、国境地域研究センター、900円。

posted by 松村正直 at 22:04| Comment(0) | 戦争遺跡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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