2021年04月25日

雑詠(004)

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めぐりゆく池のほとりにみずいろの半券あわく乾いていたり
待ち合わせしているひとが来ないから魚道のわきにアオサギは立つ
風景に終わりはなくて春落葉はがれるように忘れるがいい
少しだけひらいた口を閉じようとせず土気色の多喜二のマスク
美術館となりたる拓銀小樽支店わかき多喜二の勤めしところ
ローソンはどこであったか流れくる微かなみずの匂いを探す
街路樹のわかばに時に目をやすめオティリー・カフカの死ぬまでを読む

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posted by 松村正直 at 08:35| Comment(0) | 雑詠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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