煉瓦製造所は現在「赤煉瓦の郷」という名前の老人施設になっていて、その敷地内に窯が残されている。
まず目につくのは高さ33メートルの巨大な煙突。
かつては煉瓦造の窯を覆うようにして木造の建屋があったそうだが、現在では失われている。
窯の大きさは長辺55メートル、短辺14メートルの楕円状。
明治末から大正にかけて築かれたものらしい。
今回は特別に中に入らせていただいた。
内部はドーナツ型のトンネルになっている。
トンネル部分が十数室の区画に分けられていて、煉瓦の搬入・乾燥・焼成・冷却・搬出という順にぐるぐると繰り返される構造。一度窯に火が入ると、あとは24時間365日、休むことなくこの作業が続く。
このホフマン窯の登場によって、煉瓦の大量生産が可能になった。