2021年02月28日
企画展「イッツ・ア・スモールワールド:帝国の祭典と人間の展示」
京都伝統産業ミュージアムで開催中の企画展「イッツ・ア・スモールワールド:帝国の祭典と人間の展示」へ。最終日ということもあって、かなり賑わっていた。
19世紀から20世紀にかけて欧米で開催された万国博覧会では、植民地の人々や少数民族の村の展示がよく行われた。日本でも第5回内国勧業博覧会の「学術人類館」において、アイヌ・台湾原住民・沖縄県人・朝鮮人・清国人などが展示された。
この企画展ではさらに、見世物やショービジネス、形質人類学や骨相学といった問題も取り扱っていて、キュレーターの問題意識がはっきりと伝わってくる。
特に印象に残ったのは、フランスの人類学者ジョゼフ・ドゥニケールの『地球上の人種と民族』に載っている日本人の写真。1862年に文久遣欧使節団の一員としてパリに渡った際の若き福沢諭吉の姿である。キャプションには「日本人士官」「面長の典型」などとあり、日本人の見本として扱われているのだ。
脱亜入欧を目指した明治期の日本のことや、かつて訪れた野外民族博物館「リトルワールド」のことなど、あれこれ思い浮かび、深く考えさせられる内容だった。
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