2021年02月11日

井上理津子『絶滅危惧個人商店』


「ちくま」2018年12月号から2020年5月号までの連載に加筆・編集を加えてまとめた一冊。

長年続く個人商店に取材して、店の歴史や店主の人生を丁寧に浮かび上がらせている。

取り上げられているのは、荒川区日暮里の佃煮「中野屋」、台東区の「金星堂洋品店」、葛飾区亀有の「栄眞堂書店」、新宿区神楽坂の「熱海湯」など18軒。

ジーンズという呼び方の語源は、イタリア語の「ジェノヴァ」。(・・・)フランス語で「ジェーヌ」と発音され、それが英語に転じてジーンズと呼ばれるようになったそうだ。
卸屋で仕入れるのは、タイヤ、車輪、スポーク、チェーン、フレーム、各種部品など自転車を構成する部材一式。「完成車」が流通するのは、少なくとも一九六〇年頃以降だと木下さんは言う。
「死んだ作家の本は読まれない。例外なのは、池波正太郎、山本周五郎、松本清張、吉村昭だけだね」古本の現場から、軽やかに時流を読む田辺さんである。

個人商店から、スーパーやデパートなどの大型店、ショッピングモール、さらにAmazonなどの通販へ。時代とともに私たちの買物の場もどんどん変ってきた。その中で得たものももちろん大きかったが、失ったものも少なくはなかったのだと思う。

2020年12月15日、筑摩書房、1500円。

posted by 松村正直 at 10:56| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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