副題は「誰も教えてくれなかった不都合な話」。
東大卒のライターである著者が、自らの経験や取材をもとに卒業生たちのその後の人生を記した本。
「東大うつ」(銀行)、「東大ハード」(官僚)、「東大いじめ」(市役所)、「東大オーバー」(博士課程)、「東大プア」(警備員)などの実例を挙げて、東大卒でも楽ではない(当り前だが)現実を描き出している。
送別会にかぎらず、あらゆる組織の行事は出ていく人ではなくその場に残り続ける人たち、つまり組織のために行われる。
出版に携わる人なら思い知っているが、本というものはびっくりするほど売れない。売れない本は即座に絶版とされ、在庫は再生紙工場行きだ。
最初は軽い気持ちで笑いながら読んでいたのだが、だんだんと笑えなくなってきて、妙に落ち込んでしまった。
2020年9月26日、飛鳥新社、1364円