境内からは美しい那智の滝と三重塔が見渡せる。
佐藤佐太郎の歌碑。
「冬山の青岸渡寺の庭にいでて風にかたむく那智の滝みゆ」
『形影』所収の昭和43年の作品。今回現地に足を運んでよくわかったのだけど、那智の滝(の下半分くらい)は実際にまっすぐ落ちる時と斜めになる時がある。もともと逆Yの字状に広がっているのだが、風によって片方だけに流れることがあるのだ。
ちなみに、朱色の三重塔は昭和47年の再建なので、佐太郎が訪れた時にはまだ建っていなかったはず。
三重塔の三階から眺めた那智の滝。
参拝料300円で中に入ることができる。
上田三四二の歌碑。
「瀧の水は空のくぼみにあらはれて空ひきおろしざまに落下す」
『遊行』の一首。最初に左下の「三四二」の部分が見えて、万葉集の歌番号かと思ってしまった。
三重塔の近くに立つ歌碑だが、このあたりからでは「空のくぼみに」という感じではない。滝口は緑の樹木に囲まれていて、空とはつながっていない。
滝壺近くの飛瀧神社(ひろうじんじゃ)から見た那智の滝。
ここまで来ると「空のくぼみに」という感じになる。
お滝拝所舞台参入料300円を払って、さらに近くへ。
かなり大きな音も響いてきて、ずっと見ていても飽きない。
写真のおかげで、「空のくぼみに」がどういう光景だったのか、イメージが持てました。
なんだか懐かしかったです。ありがとうございました。
遠かったけど那智まで行って良かったです。