『近藤芳美集』(全10巻、岩波書店、2000〜01年)は近藤の歌集と代表的な散文を収めていて、便利なシリーズである。こうした形でまとまっているのは本当にありがたい。
ただ、このシリーズは近藤の生前に刊行されているために、歌集は22冊目までしか収録されていない。
第1巻 『早春歌』『吾ら兵なりし日に』『埃吹く街』『静かなる意志』『歴史』『冬の銀河』
第2巻 『喚声』『異邦者』『黒豹』
第3巻 『遠く夏めぐりて』『アカンサス月光』『樹々のしぐれ』『聖夜の列』
第4巻 『祈念に』『磔刑』『営為』『風のとよみ』
第5巻 『希求』『甲斐路百首』『メタセコイアの庭』『未明』『命運』
そのため、近藤の歌集を全部読もうと思ったら、第23歌集『岐路』(砂子屋書房、2004年)と第24歌集『岐路以後』(砂子屋書房、2007年)は別途買う必要がある。
まあ、それがまたいいのかもしれないな。