2020年10月15日

手旗信号

果てしなき彼方(かなた)に向ひて手旗打つ万葉集をうち
止まぬかも           近藤芳美『早春歌』

応召して戦地に行った作者が、手旗信号の練習をしている場面。イロハニホヘトではなく万葉集の歌を一字一字、両手に持った赤旗と白旗で表していく。

先日カルチャーセンターでこの歌を取り上げたところ、お二人の生徒さんが手旗信号を知っていて、実際にやってみせてくれた。子どもの頃に習ったり、戦争ごっこの際に使ったりしていたのだそうだ。

基本的な姿勢がいくつかあって、その組み合わせでカタカナの文字の形を作っていくとのこと。手旗信号を身体で覚えている人は、この歌を読んだ時にまず身体が動くみたいだ。

posted by 松村正直 at 22:18| Comment(0) | 近藤芳美 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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