2020年09月27日

近藤芳美とコンクリート

近藤芳美の歌集を読むと、コンクリートを詠んだ歌も出てくる。

一日コンクリート片などいぢりし手の透きとほり又静脈は浮く
今日も又コンクリートに荒れし指水に洗へば寂しさは沁む
                 『静かなる意志』
コンクリート打ちし護岸にむしろ敷き雨は降り覆う海と枯原
                 『喚声』

近藤は昭和36年に東京工業大学から博士号を授与されているが、博士論文のタイトルは「コンクリートの早期亀裂とその防止対策の研究」であった。

なるほど。どうりでコンクリートの歌があるわけだ。

posted by 松村正直 at 10:22| Comment(0) | 近藤芳美 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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