多くの写真入りで世界のミイラについて解説・紹介した本。
エジプトのミイラだけでなく、「インカ時代の少女のミイラ」「メキシコのミイラ博物館」「アイスマン」「シチリア島の少女ロザリア」「レーニン」「楼蘭の美女」「アンガ族の燻製ミイラ」「フランシスコ・ザビエル」「日本の即身仏」など、多くのミイラが登場する。
1801年には、エジプトツアーが始まり、ヨーロッパではエジプト熱が非常に高まった。そして、エジプトツアーのひとつの興行として、高級ホテルのラウンジでは、その日の朝に見つかったミイラの包帯を解くショーが行われたのだ。
スペインの征服者は、インカ帝国にある王のミイラを悉く破戒し処分した。そうすることによって、皇帝の権勢を削ごうとしたのだ。
ミイラにはこんな歴史もあったのか!
写真が豊富で見ているだけでも楽しいのだが、誤植が多いのが残念。近年、出版社によっては校正がかなり疎かになってきている。
2019年11月15日、宝島社新書、1200円。