2020年07月12日

藤森照信『現代住宅探訪記』


「TOTO通信」の連載から15件を選んでまとめた本。

篠原一男〈谷川さんの住宅〉、A・レーモンド/津端修一〈津端邸〉、磯崎新〈新宿ホワイトハウス〉、藤井厚二〈八木邸〉、平田晃久〈Tree-ness House〉など、個性豊かな建築が豊富な写真や図面とともに紹介されている。

建築作品の個性は、篠原でも山下でも建築家の人柄と深く関係し、違う人柄の人がまねようとしても結局ダメだと。私も、そう思う。人柄だけでなく、知力、身体性、すべての総和として建築は生まれてくる。
藤井がただひとりというか、最初に伝統とモダンの通底化に成功したのは、和と洋といった文化的差異の奥に幾何学という世界共通の原理を発見したから、と、近年の私は考えている。
日本のすぐれた建築家たちは、公共建築や銀行、会社などの大建築だけでなく、住宅という私的で小さな建築においても大建築に負けない、というより、ときには大建築では認められないような先駆的試みに取り組み続けて今に至ることが分かる。

お金のある人生だったら、自分の好きな家を建ててみたいものだな。

2019年12月30日、世界文化社、2200円。

posted by 松村正直 at 08:42| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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