2020年07月09日

『おいしい資本主義』のつづき

ライター生活30年の著者は、文章を書くことについてもこの本で述べている。

自分としては、音楽を書こうと文学を書こうと、アメリカや、政治、経済の話を書こうと、ばっちり焦点があっている、というか、〈同じこと〉を書いているつもりだ。

これは、よくわかる気がする。他人から見ればバラバラに見えることでも、自分の中ではちゃんと一つの像を結んでいるのだ。

文章を書く前は、自分が何を考えているのかも、分からない。文章に組み立て、ようやく、「ああ、おれはこんなことを考えていたのか」と、驚く。考えがあって、文章がまとまるんじゃない。逆。

これも、まさに実感するところ。文章を書く時もそうだし、短歌を詠む時もそうだ。

そう言えば、この本には頭脳警察、TEARDROPS、クール・アシッド・サッカーズなどの歌詞が随所に引用されているのだが、短歌もあった。

空は青雲は白いというほかに言いようないねじっと空を見る
どこまでが空かと思い結局は地上すれすれまで空である。
                  奥村晃作


posted by 松村正直 at 20:08| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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