自分としては、音楽を書こうと文学を書こうと、アメリカや、政治、経済の話を書こうと、ばっちり焦点があっている、というか、〈同じこと〉を書いているつもりだ。
これは、よくわかる気がする。他人から見ればバラバラに見えることでも、自分の中ではちゃんと一つの像を結んでいるのだ。
文章を書く前は、自分が何を考えているのかも、分からない。文章に組み立て、ようやく、「ああ、おれはこんなことを考えていたのか」と、驚く。考えがあって、文章がまとまるんじゃない。逆。
これも、まさに実感するところ。文章を書く時もそうだし、短歌を詠む時もそうだ。
そう言えば、この本には頭脳警察、TEARDROPS、クール・アシッド・サッカーズなどの歌詞が随所に引用されているのだが、短歌もあった。
空は青雲は白いというほかに言いようないねじっと空を見る
どこまでが空かと思い結局は地上すれすれまで空である。
奥村晃作