幾たびもその名を改められながら大いなる泊(とまり) 春にしづかなり
梶原さい子『ナラティブ』
サハリン(樺太)のコルサコフ(大泊)を訪れた時の歌。人口約4万人。ユジノサハリンスクに次ぐサハリン第2の都市である。
古くはアイヌ語でクシュンコタン(久春古丹)と呼ばれ、1875(明治8)年に千島・樺太交換条約でロシア領となった際に、東シベリア総督ミハイル・セミョーノヴィチ・コルサコフの名前を取ってコルサコフと名付けられた。
その後、日露戦争を経て1905(明治38)年には日本領となり、1908(明治41)年に大泊と改名された。
大泊(おほどまり)の山見えそめてかはるころ旅なつかしくおもほゆるかも
斎藤茂吉『石泉』
1945(昭和20)年にはソ連に占領され、1946(昭和21)年に再びコルサコフと改名されて現在に至っている。