2020年05月23日

清水由美『すばらしき日本語』


日本語の魅力や日本語教師の仕事についてのエッセイをまとめた本。

(指示詞「こう」「そう」「ああ」について)
二つめの文字だけを見ると「う」と「あ」で統一がとれていないように見えるかもしれませんが、これは「長音」という制服なのです。「こ」「そ」というオ段の音、「あ」というア段の音、それぞれを「コー」「ソー」「アー」と伸ばしているという点では、やっぱりきっちりそろっております。

(「乗る」「載る」などの同訓異字について)
同訓異字は、どうして発生したかといいますと、日本語のその単語の意味の守備範囲が、中国語のその単語(=漢字)のそれより広かったから、です。逆にいえば、(それらの語のカバーする範囲においては)中国語のほうが意味区分が細かかったから、です。

現代日本語では、この「未然形+ば」の形は一部の格言などを除いて消えてしまい、「已然形+ば」に一本化されてしまった。しかし、意味のほうは両方残っている

日本語のあれこれがよくわかるし、もっといろいろ知りたくなってくる。日本語教育能力検定試験の勉強をしてみようかな。

2020年3月9日、ポプラ新書、860円。

posted by 松村正直 at 10:14| Comment(0) | ことば・日本語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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