小池 卵を産むために育てられているめん鶏なんだけどね。めん鶏の雌というイメージと、剃刀研人は男だよね、男女のエロスみたいなのが一瞬ここに溢れてる。ここではっとする。なにかとてもエロチックなイメージでね。「めん」がすごく大事で、下手な人が作ると「鶏」になっちゃう。「めん鶏」だと言うからそこに男女の――そこまで言っちゃうと言いすぎなんだけども――性的な感覚がちらっと背景に存在が見える。そこがこの歌の見どころだと思う。
花山 それは小池説(笑)。
小池 小池説さんだけどさ(笑)。
花山 最近の歌会って、これ、要らないという指摘をしたがる傾向がありますよね。ダブってるとか、無意味に入ってるとか。全然そういうことではないと思うんだけどね。
読んでいて楽しく、もっともっと読みたくなる。