13:00からアークホテル京都にて、現代歌人集会秋季大会が行われた。参加者約120名。
はじめに米田律子元理事長の追悼を大辻隆弘理事が述べて、全員で黙禱。次に第45回現代歌人集会賞の授与式。藪内亮輔歌集『海蛇と珊瑚』。藪内さんと会うのは5、6年ぶりだろうか。
続いて、林和清理事長の基調講演。講演の中で出てきた1970年の現代歌人集会創立のシンポジウムについては、『高安国世の手紙』(326ページから)でも触れたことがある。興味のある方はお読みください。
その後、メインの斉藤斎藤さんの講演「〈私〉のつくられ方〜近代の短歌の文法と自我〜」。日本語と外国語(英語)の表現方法の違い、人称や時制の問題など、言葉の本質に根差した話で面白かった。「一人称」「三人称」という言葉が「一人称視点」「三人称視点」の意味で用いられていたので、やや混乱した方もいらっしゃるかもしれない。
16:00からは現代歌人集会の総会。
事業報告、会計報告、新入会員承認、議案の審議など。最後に島田幸典副理事長による閉会の挨拶があって17:00前に終了。
ご来場くださった皆さま、ありがとうございました。
いろいろありますが、斉藤斎藤さんのお話で、茂吉の歌は一首の中に一人称視点と三人称視点が混在していて、三人称のほうに詠嘆調の造語「けるかも」を付けることにより、人称のズレ、捻じれが発生している。その主体のカオス(責任所在の曖昧さ?)が、ひいては戦争に繋がっていったというご指摘には、そんなこと考えてみたことも無かったので、少なからずショックを受けました。
最後の戦争責任に関する話は、刺激的な論点でしたけれど、時間の関係もあって納得するには到りませんでした。自分なりに考えてみたいと思います。