先日、山梨の母の家に行ったところ、食卓に大判のノートが置いてあった。「もの忘れが気になる方へ 記憶サポート帳」という市販品で、日記のように一日一日の出来事を書き込む方式になっている。
母は3年前に認知症の診断を受けているので、医師に薦められてノートを付け始めたのかと思ったのだが、そうではなかった。見ていいか聞いてノートを見てみると、最初のページに「自分の生活を立て直す要用(ママ)を感じた為このノートを買う」とある。日付は2014年6月6日。
近所の方から母の様子がおかしいと聞いて最初に病院へ行ったのは2016年4月のこと。その2年も前から、母は自分の変調に気づいていたのだ。2014年3月末に母は連れ合いを亡くしていて、ノートには「看病と死ということに直面した私は廃人みたいな感じだった」という記述もある。やはり相当大きな精神的ダメージだったのだ。
今になってみれば思い当たることがある。2014年の8月に納骨をした際に、母は自分がとめた車の場所がわからなくなって、「お母さんの車、どこだっけ?」と私に尋ねたのだった。その時は深く考えもせずに、「あそこでしょ」と軽く答えたのだけれど、母のあんな姿は初めてだった。
あの時にもっと注意深く寄り添うことができていれば。
そう思われて仕方がない。
お母様にとって、自分に正面から向かい合って受けとめ、寄り添ってくれる息子がいることは、とても大きな支え、そして生きる気力につながっていることでしょう。
それは「人間らしく生きる」ことにつながっているのだと思うのです。
小川さんのお書きの通り「遅すぎる」ということはないので、これからしっかりと寄り添っていければと思います。
『家族のためのユマニチュード』その他、イヴ・ジネストさん、
ロゼット・マレスコッティさんのユマニチュード関係の本は、
大切な人に、大切に思っていることを
伝えられる具体的な方法がたくさん紹介されています。お勧めです☆
松村さんだったらすぐに読めると思います!
「ユマニチュード」という言葉を初めて知りました。認知症の方に対するケアメソッドとして誰もが知っておいた方が良さそうですね。