
森ひなこ歌集『夏歌ふ者』(現代短歌社)が刊行されました。
http://gendaitanka.jp/book/kashu/042/
昨年の現代短歌社賞の佳作となった作品が元になっていて、
その関係で栞を書かせていただいてます。
採算と不採算との区別にて地下に置かれる病理検査室
二十五×七十六ミリのガラスの中見つけだしたし癌細胞を
ヒロシマに入(い)る時さへも携へし米大統領の「核のボタン」よ
茸型したる足指夏の日の元安川の流れにさらす
細胞検査士の仕事の歌、生まれ育った広島を詠んだ歌など、
ずっしりと手応えのある一冊です。
2019年7月26日、現代短歌社、2500円。