2019年07月19日

高野秀行・岡部敬史・さくらはな。著 『将棋「観る将になれるかな」会議』


著者の高野秀行は将棋棋士。6段。『謎の独立国家ソマリランド』などを書いたノンフィクション作家の高野秀行は同姓同名の別人。

一方で岡部敬史は『くらべる東西』『くらべる時代』などを書いている「おかべたかし」と同じ人。何だかややこしい。
http://matsutanka.seesaa.net/article/441584092.html
http://matsutanka.seesaa.net/article/457471609.html

岡部とさくらが将棋に関する質問をして、棋士の高野がそれに答えるという内容。「「棋風」って何?」「「味がいい」ってどういう意味?」「なぜB級1組は13人?」「盤を離れているとき、何をしているの?」など、素朴な疑問から本格的な問題まで、さまざまなやり取りが繰り広げられている。

中でも面白かったのが「なぜ将棋の持ち時間はあんなに長いんですか」という質問に対して、

将棋の対局時間が長いのは、新聞という媒体が報じてきたというのも要因でしょうね。

と答えていること。娯楽の少なかった時代、新聞はタイトル戦のスポンサーとなって観戦記を載せることで部数の増加を図っていた。観戦記は何日にもわたって掲載するため、対局時間が長い方がむしろ好都合だったのだ。

媒体の問題は、テレビやネットで中継される将棋に早指しが多いことにも関係している。将棋もプロの世界である以上、スポーツと同じく観客の存在を無視できないのだ。

2019年7月1日、扶桑社新書、920円。


posted by 松村正直 at 23:24| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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