このところ、同年生まれの人が集まって短歌の同人誌を発行するといったことが増えている。座談会などでも「世代」という言葉がキーワードのように頻出して、正直なところ息苦しさを覚えるほどだ。
私は「時代」には興味があるが、「世代」にはあまり興味がない。
「時代」は明治にしろ戦後にしろ文献や作品に当たることで追体験が可能なものである。誰に対しても開かれていると言っていいだろう。一方で「世代」はそうではない。生まれた年という単なる偶然で決まってしまうものだ。
「世代」という区分けはとても排他的なものだと思う。世代が個人の生き方や価値観に影響を与えているのは間違いのないことであるが、だからと言って世代で論じて個人が見えてくるわけでもないだろう。
「時代」と「世代」は、似ているようで全く違う概念なのだ。
2019年07月01日
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