副題は「人生を盗まれない働き方」。
2012年に東京書籍より刊行された単行本の文庫化。
個人レベルではじめられて、自分の時間と健康をマネーと交換するのではなく、やればやるほど頭と体が鍛えられ、技が身につく仕事を「ナリワイ」(生業)と呼ぶ。
という定義のもと、「ナリワイ」づくりを実践している著者が、自らの考えや体験を詳しく記している。
生活の余裕とは、収入の多寡よりもむしろ、支出のコントロールができるかどうかが大きい。
生命保険よりも、病気にならない暮らし方を探求するほうがより丈夫なリスクヘッジになりうる。
田舎では、雇用によって生計を立てるのではなく、様々な小さな仕事、すなわちナリワイを自らつくり出して生計を立てていることが結構あるのである。
「ナリワイ」的な生き方の一番の魅力は自分の人生を自分で決められることにあるのだろう。それは、グローバル資本主義やそれに伴う格差の拡大に対して自分自身を守ることにもつながっている。
2017年7月10日、ちくま文庫、680円。
5月11日の『語彙』、足し算から掛け算、大変参考になりました。
ありがとうございました。
松村先生のご自愛と、ご活躍をお祈りいたします。
コメントありがとうございます。
センスも要りますし、友人や様々な人との人間関係も欠かせない要素でしょうね。
人にものを頼んだり、助けてもらったり、反対に手伝ったり助けたりする。そういうことが、これからの社会では大事になってくる気がします。