副題は「世代差・地域差からみる言葉の不思議」。
世代や地域によって異なる言葉を数多く例に挙げて、日本語の仕組みについて解説した本。
関西ではニク=牛肉であり、豚肉はブタ、鷄肉はカシワ(もしくはトリ)と呼ぶのが普通です。
(外来語の)促音はもともと英語に入っているものではなく、日本語話者が英語の発音を聞いて感じるものです。
どの言語の赤ちゃんも[s]より[t]を先に獲得すると言われています。(・・・)いずれの言語でも[s]をまだ発音できない子供は、その音を[t]で代用しようとします。
他にも、「五七五」の「ご」が「ごー」と伸ばして発音される理由や「チャック」が「巾着」から作られた略語であること、バ行音に対応する無声の音はハ行音ではなくパ行音であることなど、雑学的な知識も豊富で楽しい。
2017年12月15日、平凡社新書、780円。