京都産業大学の企画「マイ・チャレンジ」の第5回から第8回(最終回)までの講演・対談を収めた本。前著『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』の続篇で、登場するのは、池田理代子・平田オリザ・彬子女王・大隅良典の4名。
このうち、平田オリザさんの出た第6回は聴きに行った。
http://matsutanka.seesaa.net/article/449424237.html
(池田)女の幸せというものもなければ、男の幸せというものもない。あるのは「自分の幸せ」だけ、幸せというのは絶対的な主観だと信じていましたね。
(平田)ファストフードのマニュアルは、多民族国家におけるコミュニケーション手段の結晶のようなものです。
(彬子)ある時議論をしていた友人に「自分はこう思っているけれど、アキコの意見も面白かったよ」と言われたことがあります。その時、反対意見を述べるのは私の意見を否定しているのではなく、会話をするための手段のひとつなんだと理解することができました。
(大隅)「知る」と「わかる」は別物です。素朴に「あれ?」と思う心を持つと、いろいろなことが実に楽しく見えてくるのではないかと思っています。
それぞれの講演も興味深いし、永田さんとの対談も面白い。十代・二十代の人には特にお薦めです。
2018年2月20日、文春新書、730円。