2014年刊行の『しなやかな日本列島のつくりかた』と2016年刊行の『和の国富論』(ともに新潮社)を合わせて、文庫化した一冊。様々な現場で活躍する13名と著者との対話集。
道路や駐車場に何十億、下手したら一〇〇億円以上かけるということには誰も何も言わなくて、鉄道会社は一億、いや、一銭でも収支がマイナスであれば「赤字だ」と文句を言われる。
宇都宮浄人(経済学者)
旅行する人はわかると思いますが、「あっ、良い街だな」と思うのは、いろいろな機能が混在している街です。オフィスもあれば住居もある。
清水義次(都市・建築再生プロデューサー)
どちらも統合されれば、今までのように子どもの足では通えなくなります。(・・・)地域に学校がなくなれば、子育て世代を引き留めておくことは相当に難しくなるでしょう。
山下祐介(社会学者)
日本社会の現状と今後の課題を明らかにするだけでなく、それを乗り越えるための実践的な方法が示されている。内容的には決して明るくないのだが、様々な取り組みを行っている人が全国各地にいることを思うと心強い。
2018年9月1日、新潮文庫、710円。