淀川を中心に、地形・地名・鉄道・道路・歴史など様々な観点から大阪の各所を紹介した本。私の住む伏見にも関わりの深い話が出てくる。
近世までの川は、現代でいえば鉄道網のようなもの。
まず大切なのはこの観点だろう。水運が盛んだった時代には、川は一番の交通路であったのだ。人間と川との関わりも今とは比べものにならないくらいに密接であった。
大阪の歴史とは、そのまま「淀川治水」の歴史だといっても過言ではない。
かつて「暴れ川」と呼ばれた淀川の氾濫を防ぐために、仁徳天皇の時代から現代に至るまで数多くの試みが行われてきた。堤防を築き、川と川を切り離し、川の流れを変え、ようやく今の形ができあがったのである。
大阪へ出掛けるのがこれまで以上に楽しくなりそうだ。
2018年10月19日、洋泉社歴史新書、950円。