門脇篤史「風に舞ふ付箋紙」300首。
ハムからハムをめくり取るときひんやりと肉の離るる音ぞ聞ゆる
牛乳に浸すレバーのくれなゐが広がるゆふべ 目を閉ぢてゐる
子を成すを恐るる我と恐るるに倦みたる妻と窓辺にゐたり
堅実な詠みぶりの力ある作者で、今後が楽しみだ。
選考委員4名(阿木津英・黒瀬珂瀾・瀬戸夏子・松村正直)による座談会も29ページにわたって掲載されている。ふつうは座談会を行っても誌面に載るのは半分か3分の1くらいの分量になるのだが、これは当日の話のほぼすべてが載っている。
ところどころ緊迫した(?)やり取りもあるので、皆さんぜひお読みください。
なお、第7回現代短歌社賞の募集も始まっています。
歌集未収録作品300首(未・既発表不問)。
締切は来年7月31日。
しみるなぁ。
選考座談会、読みごたえあります。