2018年11月14日

「現代短歌」2018年12月号

第6回現代短歌社賞が発表になっている。
門脇篤史「風に舞ふ付箋紙」300首。

 ハムからハムをめくり取るときひんやりと肉の離るる音ぞ聞ゆる
 牛乳に浸すレバーのくれなゐが広がるゆふべ 目を閉ぢてゐる
 子を成すを恐るる我と恐るるに倦みたる妻と窓辺にゐたり

堅実な詠みぶりの力ある作者で、今後が楽しみだ。

選考委員4名(阿木津英・黒瀬珂瀾・瀬戸夏子・松村正直)による座談会も29ページにわたって掲載されている。ふつうは座談会を行っても誌面に載るのは半分か3分の1くらいの分量になるのだが、これは当日の話のほぼすべてが載っている。

ところどころ緊迫した(?)やり取りもあるので、皆さんぜひお読みください。

なお、第7回現代短歌社賞の募集も始まっています。
歌集未収録作品300首(未・既発表不問)。
締切は来年7月31日。

posted by 松村正直 at 19:07| Comment(2) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「決められなかったから同時受賞、はよくないよね」
しみるなぁ。
選考座談会、読みごたえあります。
Posted by 豚肉を揚げる音 at 2018年11月16日 11:58
選考委員にとっても読みの力や度量を試される場であり、短歌観を問われる場でもあります。今回はなかなかスリリングで楽しかったです。
Posted by 松村正直 at 2018年11月18日 10:40
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