2018年10月02日
イルカショー(その3)
捕鯨とイルカショーの関わりの話をもう少し続けたい。
2009年にアカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した映画「ザ・コーヴ」は、「くじらの町」として知られる和歌山県太地町のイルカ追い込み漁を取材したものだ。
かつて商業捕鯨で賑わった太地町では、商業捕鯨が禁止されて以降、IWC(国際捕鯨委員会)の管轄外である小型捕鯨とイルカ漁が細々と続けられている。
このイルカ漁で獲れたイルカは、地元を中心に食用とされるのであるが、実はそれだけではない。生きたまま水族館に販売されるものもあるのだ。この生体販売は食肉用よりも高額で、漁に従事する人々の大きな収入源となっている。
しかし、このことがWAZA(世界動物園水族館協会)から問題視され、2015年にJAZA(日本動物園水族館協会)は会員資格停止処分を受けることになる。その後、追い込み漁で獲られたイルカの入手を禁止することを決めたJAZAから、太地町の「町立くじらの博物館」が脱会し、他の4施設もこれに追随するという事態になっている。
https://www.sankei.com/west/news/170403/wst1704030007-n1.html
先日、イルカショーで批判を浴びた新江ノ島水族館も、このJAZAを脱会した水族館の一つである。ここに、イルカショーをめぐる問題の根深さがよく表れていると思う。
この記事へのコメント
コメントを書く