2018年09月04日

あくびの効用


啄木の歌を読んでいると、あくびの歌がけっこう出てくる。

 百年(ももとせ)の長き眠りの覚めしごと
 呿呻(あくび)してまし
 思ふことなしに
 路傍(みちばた)に犬ながながと呿呻(あくび)しぬ
 われも真似しぬ
 うらやましさに
 いらだてる心よ汝はかなしかり
 いざいざ
 すこし呿呻(あくび)などせむ
 腹の底より欠伸(あくび)もよほし
 ながながと欠伸してみぬ、
 今年の元日。

あくびと言うと、「眠気」「退屈」「行儀悪い」といったマイナスのイメージを思い浮かべることが多いが、最近の研究では「脳を活性化させる」「心身をリラックスさせる」といった効用があるらしい。

啄木の歌のあくびも、明らかにプラスのイメージである。「してみたいもの」「したら良いこと」として、あくびが描かれている。

posted by 松村正直 at 07:42| Comment(2) | 石川啄木 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うた新聞、読めて良かったです。心に残る文章でした。いつかの毎日新聞と同じく切り取って貼りました。
Posted by 豚肉を揚げる音 at 2018年09月04日 21:10
「うた新聞」9月号、お読みくださりありがとうございます。
『駅へ』を出してから、もう17年になります。
Posted by 松村正直 at 2018年09月05日 08:55
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