2018年08月23日
森義真著 『啄木―ふるさと人との交わり』
盛岡のタウン誌「街もりおか」に2009年〜2014年にかけて連載された「啄木の交遊録〔盛岡篇〕」をまとめたもの。
「盛岡高等小学校に関わる人々」「盛岡中学校 恩師/先輩/同級生/後輩」「渋民尋常高等小学校に関わる人々」「渋民の人々」などに分けて、計65名が取り上げられている。
印象的なのは、それぞれの出生はもとよりお墓の場所まで記されていること。これは「葬儀や戒名、そして菩提寺まで記載してこそ、その人の伝記になるはずだ」(あとがき)という著者の信念に基づくものらしい。
啄木は満26歳という若さで亡くなっているが、この本の中にも若くして亡くなった人がけっこういる。狐崎嘉助(享年24)、細越毅夫(享年23)、内田秋皎(享年29)など。啄木の死を考える際には、こうした時代性も考慮する必要があるだろう。
2014年3月28日、盛岡出版コミュニティー、1600円。
<公>では啄木、<私>では啄木と賢治、それに近代から現代までの岩手の文学者のいろいろな面に、様々な形でアプローチをしたり、掘り下げたりして、【楽しんで】おります。
本は在庫僅少となっており、そろそろ増補改訂版を、と思っておりますが、なかなか着手できないでいるのが現状です。
貴ブログは、これから時々覗かせていただこうと思っております。よろしくお願いいたします。
コメントをいただき、ありがとうございます。
『啄木―ふるさと人との交わり』からは、多くのことを学ばせていただきました。山本千三郎・トラ夫妻の墓が大津市にあることも初めて知りました。「啄木ごっこ」の連載を始める前(2018年5月)に石川啄木記念館にもうかがいました。機会を見てまたお訪ねしたいと思います。