今日は相国寺承天閣美術館で開催中の「サンタフェ リー・ダークス コレクション 浮世絵最強列伝」へ。
全体が時代順に6章構成になっていて、菱川師宣、鈴木春信、勝川春章、喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川豊国、葛飾北斎、歌川広重など、80点あまりが展示されている。
第1章 江戸浮世絵の誕生―初期浮世絵版画
第2章 錦絵の創生と展開
第3章 黄金期の名品
第4章 精緻な摺物の流行とその他の諸相
第5章 北斎の錦絵世界
第6章 幕末歌川派の隆盛
浮世絵には「やつし」や「見立」といった和漢の古典のアレンジやパロディーが頻出するが、その元ネタを知っているともっと楽しめるのだろう。「狂歌+絵」の摺物も多数あって、江戸時代の狂歌の隆盛ぶりが感じられた。
これは歌川国貞「風俗三人生酔」。
1830年〜32年頃の作品。
大正〜昭和頃のお酒のポスターに通じるものがあって面白い。
前期の展示は明日までで、8日から展示をすべて入れ替えて後期となる。
この「風俗三人生酔」が、歌麿の「教訓親の目鑑 俗ニ云ばくれん」とそっくりなのに仰天してしまいました。
歌麿の「ばくれん」は、左手に蟹を持っているところが異なりますが。
私は浮世絵があまり好きではないのですが、この「ばくれん」は好きで、プリントアウトして眺めて楽しんでいるのです。
国貞さんも「ばくれん」が好きだったんだろうなあ。わかるよ。
でも出来は「ばくれん」のほうが上だね。「ばくれん」には女性の生きた肌ざわりが感じられる。
やはり「浮世絵の大家」は写楽でも北斎でも広重でもなく、歌麿だろうなあ。
きっと、他の浮世絵師たちにも盛んに真似された構図なのでしょうね。