2018年07月20日

映画 「おクジラさま」


監督・プロデューサー:佐々木芽生
副題は「ふたつの正義の物語」

和歌山県太地町のイルカ漁をめぐって起きる様々な出来事を取材したドキュメンタリー。

環境保護団体「シーシェパード」の活動家、外国人ジャーナリスト、右翼団体の活動家、太地町の漁師、町長など多くの人々の発言をまじえつつ、異なる価値観や考え方がぶつかり合う現場を描き出している。

1980年代以降、欧米を中心に反捕鯨の運動が高まりを見せ、近年はイルカ漁(=小型鯨類の沿岸捕鯨)に対しても風当たりが強くなっている。この映画は、捕鯨に賛成か反対かという捉え方ではなく、そうした現状をできるだけ公平に描いている点に特徴がある。

映画の中で太地町に住むアメリカ人ジャーナリストが、「捕獲されるイルカは絶滅危惧種ではないが、太地町のような濃密な人間関係のある暮らしの方が絶滅危機種だ」と言っていたのが印象に残った。

人口3000人の町が抱え込むには大き過ぎる問題だろうと思う。

2017年、日本・アメリカ、96分。京都シネマにて。


posted by 松村正直 at 23:13| Comment(0) | 鯨・イルカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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