編集:金田一京助、土岐善麿、石川玲児、小田切秀雄、岩城之徳。
全8巻の全集のうち、第5巻と第6巻に啄木の日記が収められている。
この第五巻には
・秋韷笛語 明治35年10月30日〜12月19日
・甲辰詩程 明治37年1月1日〜4月8日、7月21日〜23日
・MY OWN BOOK FROM MARCH 4. 1906 SHIBUTAMI
明治39年3月4日〜12月30日
・丁未日誌、戊申日誌
明治40年1月1日〜12月31日、明治41年1月1日〜1月12日
・明治四十一年日誌 明治41年1月1日〜12月11日
が収められている。
今回初めて通しで読んだのだが、すこぶる面白い。
啄木の日記は、かれの生涯と作品とに関連して重要な資料であるだけでなく、それじたいとしてきわめてすぐれた文学作品となっている。これほどにおもしろい日記を書いた作家は、日本には類が少ない。
と解説に小田切秀雄も書いている通りである。
啄木が死後に焼くように言い残した日記は、様々な経緯を経て現在公刊されている。その意義と重みを強く感じた。
1978年4月25日、筑摩書房。