2017年12月25日

毎日新聞校閲グループ著 『校閲記者の目』



副題は「あらゆるミスを見逃さないプロの技術」。

「舟を編む」が映画になったり「校閲ガール」がテレビドラマになったりと、最近言葉に関する興味が高まっているように感じる。

本書は毎日新聞の校閲グループのメンバーがWEB「毎日ことば」Twitterで発信した内容を書籍化したもの。よく売れているようで3か月で5刷となっている。

最初にダミー紙面を使った練習問題があるのだが、これが難しい。半分も見つけられなかった。間違い探しのクイズと違って、間違いが何か所あるかもわからない世界。

たとえ、99カ所直すことができても、一生懸命調べて大きな誤りを直したとしても、たった1カ所見逃して、たった1カ所誤りかおかしな表現が紙面化され、それが読者の目に触れることになれば……それは99点ではなく、0点です。

例として挙がっている誤りは

×建国記念日→〇建国記念の日
×2017年のえと「酉」の置物→〇2017年のえと「酉」にちなんだ置物
×万歩計→〇歩数計

などなど。

最後に「現役校閲記者の短歌」として、澤村斉美さんの歌集『galley(ガレー)』の歌が紹介されている。

遺は死より若干の人らしさありといふ意見がありて「遺体」と記す
人の死を伝へる記事に朱を入れる仕事 くるくるペンを回して
死者の数を知りて死体を知らぬ日々ガラスの内で校正つづく

校閲記者の仕事の大変さとやりがいが、よく伝わってくる一冊であった。

2017年9月5日第1刷、2017年12月10日第5刷。
毎日新聞出版、1400円。

posted by 松村正直 at 08:22| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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